ブラシを使用した線を使った手描き風の表現や「不透明マスク」を使用したがさっとしたラフな塗り表現など、Illustratorを使用した手描き風の加工をこれまでご紹介してきました。
今回はIllustratorだけでできる、水彩画風の表現方法です。
とある案件のデザインをしていたときのこと。
基本はIllustratorのベクターイラストなのですが、塗り方だけ水彩画のような表現ができないかとの指示をいただきました。
なにかいい方法はないかと探していたところ、3倍早くなるためのDTP講座 様のこちらの記事で紹介されていた方法がとても参考になりました。
自分なりに試してみたものを、覚書として今回記事として残しておきます。
水彩テクスチャーを重ねる
まずテクスチャーを重ねて、全体の質感を水彩っぽくしていきます。
この段階では色の濃淡だけを出したかったので、テクスチャーはモノトーンのものを使っています。
今回は水彩絵の具のような質感のものにしましたが、クレヨン画や鉛筆画、ペンキ塗りなどでも面白い効果が出るかもしれません。
BEIZ Graphics様の水彩素材を使用させていただきました。ありがとうございます!
新規レイヤーを最前面に作成し、テクスチャーを配置。
透明パネルから描画モードを「オーバーレイ」に変更します。
絵の具だまりでふちを濃いめに
水彩画のようなふちの絵の具だまりを作っていきます。
まずモチーフを前面にコピー&ペーストします。
コピーしたモチーフに対して、効果→スケッチ→コピーを適用します。
この効果を適用したモチーフを透明パネルから描画モードを「オーバーレイ」にし、透明度を調整します。
このコピーの効果は、グループ化したオブジェクトに対しては別色ごとに適用されますが、そうでない場合は各オブジェクトごとに適用されます。
境界線を出したくないモチーフは、効果をかける前に必ずグループ化しておいてください。
色ムラをつける
水彩絵の具のにじみでできる色ムラをつけて、さらに仕上げていきます。
50%のグレーで円を作成し、効果→ラフを適用。
効果→内側に光彩と効果→外側に光彩
描画モードを「オーバーレイ」にし、透明度を調整して重ねます。
グレーを白に近づけると明るく、黒に近づけると暗くなりますので 調整しつつ仕上げていきます。 グレー以外に彩度のある色を乗せても、混色したような面白い効果になるかも。
透過画像にする場合
オブジェクト→透明分割で不要なオブジェクトを削除で完成です。
まとめ
主に効果のコピーを使用して色ムラを作っているので、モチーフ内の各オブジェクトごとに濃淡を微調整することはちょっと難しいかもしれません。
ただ、効果をかけたものを重ねるだけでできてしまうので、手軽に試したいときに手早くできるのがいいですね。
フラットなイラストに、水彩の柔らかい質感をちょっと足したいなというようなときおすすめです!
参考
Illustratorで水彩(風)表現|3倍早くなるためのDTP講座 様